花房観音 -Hanabusa Kannon-

情交未遂

あなたの話を聞きたい、あなたのことを知りたい、誰も知らないあなたを、私の言葉で書き残したいーー言葉でまぐわいたいのです

怪談社 ~あやしの国の鬼たち~

怪談社 ~あやしの国の鬼たち~

2016年9月30日   インタビュー:花房観音   写真:花房観音   場所:大阪・十三にて

――紗那さんは、もともと怪談が好き?

 

紗那「小さいときから、大好き。怪談社は語りがどうこう言われるけれど、俺は語りの場所やとは思うてへん。こんな話を仕入れましたって発表する場所。語りが上手いとか下手とかは、あんまり重要ではないと思ってる、俺はね。こいつは違うけど」

紙舞「僕は怖がってもらえたらうれしい。怖がらせたいですね」

 

――人前で喋るのとか、緊張しません?

 

紗那「俺は緊張するほうじゃないし、緊張したこともない。でもこいつは今でも緊張する」

紙舞「めちゃめちゃ緊張しますね、そわそわしてるし」

紗那「だから、ミスめっちゃ多いねん」

紙舞「……(苦笑)」

 

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――怪談社結成して4年少しですが、最初のイベントは観客はどれぐらいでした?

 

紗那「30人ぐらいかな。でも今も、そこまでがっつり集客を求めてもいない。内容がしっかりしてたらいいんじゃないかな、と」

紙舞「リピーターの方は多いですね」

 

――有名になろうとか、お金をもうけようというのはないんですか。

 

紗那「お金をもうけるのは違うね」

紙舞「もうからないですよね」

 

――怪談社のパンフレットで、宇津呂鹿太郎さん(怪談師・怪談作家)が、関西では怪談社のおかげで怪談イベントが広がっていったということを書かれています。

 

紗那「それまであるにはあったけど、今ほどではないかな。でも関東ではもともとやってたことだし。真似したわけではないけど」

紙舞「最初、バカみたいに怪談イベントをやろうって話をしてたんです、紗那さんと。でも怪談社やろうって言い出したのは自分だけど、若干途方にくれてた気がする。こんなにたくさん、当時はできるとは思ってなかった」

 

――あと、その宇津呂さんもですけれど、怪談社のイベントはゲストメンバーが豪華ですよね。今の「BASARA」シリーズなら、朱雀門出さん(日本ホラー小説大賞受賞作家)、三輪チサさん(「幽」怪談文学賞受賞作家・メンズナウにも登場)、田辺青蛙さん(日本ホラー小説大賞受賞作家)、次回7月は松村進吉さんに、中山市朗さん。

 三輪さんは今は様々なイベントに出演されるようになりましたけれど、もともとは本当に普通の主婦で、こうして表に出る気もなかった。彼女は本当に声が綺麗で語りも上手いですね。

 

紗那「三輪さんはすごく評判がいいよ」

 

――語りも出来るし、文章も書ける。怪談関係者には、怪談会という場があるおかげで、そのどちらもで力を発揮できる人が多い。でもそうやって作家さんが語りの力を発揮できるのは、怪談社ありきかなとも思います。だから、「怪談」というジャンルの展開が、おもしろいなと眺めています。三輪チサさんとはじめてお会いしたのは、怪談社のイベントで、その時は私は作家ではなかったし、彼女も実話会談コンテストで賞はとっていたけれど、文学賞はまだだった。彼女が目をキラキラさせて、「怪談を好きな人がこんなにいるんだー」って感激している姿がすごい印象的でした。

 

紗那「三輪さんは偉大やね。モハメッド・アリのレベル。心から怪談を愛してる。最も怪談を愛してるのは俺と三輪さん。俺は怪談社やめても、発表せんと集め続けるだろうし、三輪さんは作家やめても書き続ける。愛してるって、そういうこと」

紙舞「僕は、怪談社やめても、喋ることはすると思いますよ」

 

――私が三輪さんや宇津呂さんと知り合ったのは怪談社のイベントで、他にもゲストでもお客さんでも様々な作家さんが来られて知り合うことができた。そこで何かが生まれることもありますしね。

 

紗那「怪談社つくってよかったのは、友達増えたよね」

 

――怪談社やめようと思ったことは?

 

紗那「ないけど、言い出すとしたら、俺かな。今やめたらどっちもつぶれるけどね」

紙舞「やめたいというか、隕石とか落ってきて、あの人(紗那)死なへんかなーって思ったことはあります」

 

――普段は、紗那さんが紙舞さんにボロカス言ってるイメージがありますが、紙舞さんは紗那さんに本気でキレたことはないんですか。

 

紙舞「ありますよ!! もちろん!!」

 

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――怪談社のために紙舞さんは京都から十三に引っ越してきて、紗那さんといる時間増えましたよね。

 

紗那「無駄でも一緒におる。ふたりでいて何もしないときもあるけど、一緒におる。それが大事。恋愛とかわらんよね。恋愛はふたりでどこかに一緒に行ったりとか時間を共有することが大事。それと同じ」

 

――今は、紙舞さんは怪談社の事務所と同じマンションの事務所の上に階にお住まいですよね。紙舞さんのオナニーの声が、下の事務所に聞こえたきたりはしないんですか。

 

紗那「聞こえたことはないなぁ」

紙舞「声出しませんから!!」

紗那「一回、オナニーしたの見たことがある。他のやつやけどな。確かに声出すヤツはまれにおる」

紙舞「でも、上にいて、下の音は結構聞こえるんですよ。あ、今、紗那さんトイレに行ったなーとか」

紗那「え、まじで?」

紙舞「あと、同じアパートに紗那さんと似た足音の人がいて、たまにビックリします」

 

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――紙舞さんのオナニーのオカズは?

 

紙舞「そんな話なんですか……結構、ネットの申し子なんで、ネットで……でも彼女がいる時はしませんし」

 

――セックスとオナニーは別腹じゃないんですか?

 

紙舞「別腹ですかねー」

紗那「人によるんちゃう?」

紙舞「基本的に体力がないので、すぐ疲れちゃうんです、すぐ寝るし」

 

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