花房観音 -Hanabusa Kannon-

情交未遂

あなたの話を聞きたい、あなたのことを知りたい、誰も知らないあなたを、私の言葉で書き残したいーー言葉でまぐわいたいのです

怪談社 ~あやしの国の鬼たち~

怪談社 ~あやしの国の鬼たち~

2016年9月30日   インタビュー:花房観音   写真:花房観音   場所:大阪・十三にて

             

――紙舞さんは?

 

紙舞「僕は……」

紗那「こいつは言葉責めが好き!」

紙舞「ちょ、ちょっと……」

紗那「彼女が以前つきあった男の名前を言わせたい、昔の男のセックスを聞くのが好き。変態でしょ!」

 

――うわー……ほんまにそんなんするんですか。

 

紙舞「……エッチなこといっぱい言わせたいんですよ」

紗那「昔つきあってた男の名前なんだ! ひろし! たかゆき! ゆきひろ! ひろしと較べてどうや! たかゆきと較べてどうや! とか責めよんねん」

紙舞「そこまでは言わせないですよ!!」

 

――紙舞さんの「ええ声」の言葉攻め……録音して売りたい……。

 

紗那「こいつはな、据え膳食わない男やねん。同じ布団に入ったけど、しない、みたいな」

 

――えー……。

 

紙舞「紗那さんによく怒られるんですよね。普通、やるやろってシュチュエーションでしなかったこと何度もある。僕、メンタルが、セックスに関してすごく左右するんですよ。挿入したとして、最後までいけるかなとか、この人こと実はあんまり好きじゃないなとか考えると、萎えちゃう」

 

      %e5%86%99%e7%9c%9f%e2%91%a1

*写真はかつての十三・波平通り

 

 

――十三って、風俗たくさんあるけど、行く?

 

紗那「行かない。俺は面が割れてるから、すぐバレてまうし」

紙舞「僕はそんなんで……知らない女性に興奮できないですね」

 

――真面目ですね。不倫とかもだめですか。

 

紙舞「絶対にダメ」

紗那「俺もアウト。でも昔、そいつの旦那がすごく嫌いで、その嫁を口説いたら旦那が怒るかなーって試したら成功してもうた。そしたらその旦那がぶち切れて、飲んでるときやったんだけど、椅子で殴られて、そん時、ちょっとだけ気絶したな」

 

――今住んでる十三って街は好き?

 

紗那「最初は飲み屋が多いから居心地がいいって思ってた。今は、好きやね。下品で自分勝手で、露骨で乱暴で、いいよね、ここは」

 

――紗那さんが子供の頃から怪談が好きっていうのは、何か原体験はあるんですか。

 

紗那「特にない。ただ、怖い話って、ドキドキするじゃん。そのドキドキが好き。刺激って答えだな、きっと。梅田の歩道橋で、ドキドキするために、あーって叫んで警察につれて行かれたことあるけど」

紙舞「ドキドキというか、おもしろさのためなら自分の身を守らないですよね」

紗那「おもしろさのためなら、何でもします」

紙舞「でも、そのおもしろさに辿り着くまでの導火線が長いことがあって、それを僕が気がつかなくて、切ったりすることがある」

紗那「その時は本当にぐったり。今まで何やろーって」

 

――怪談イベント見てたら、人を怖がらせ、驚かすのと同時に、笑わせるのも好きですよね。

 

紗那「世の中で一番強い力は、笑い。笑いに較べれば、怖さなんて、薄い。笑いは本当に強い」

 

1 2 3 4 5 6 7 Previous Next

pagetop