――現役の男優さんの中で、森林さんが高い評価を得られている話を、私は耳にしますが、それはどう思われていますか？

「それは……なんだろうな……評価をどの物差しで見るかですよね。収入、知名度、仕事量、あと総合力。僕でいえば、僕はイケメンじゃないけど、仕事のふり幅が広いんです。イケメン男優だと単体が多いけど、僕は単体からニューハーフまで何でもやります。それ見て、森くんはすごいねって言ってくれるのかもしれませんね。ただ、僕個人としては佐川銀次さんが一番SEXが上手いと思っています。違う領域にいる」

――今、おいくつですか？

「３４歳です」

――どうしてＡＶ男優になられたんですか？

「ずっと本当にＡＶが好きだったからです。中学生の頃から、親の会員証でレンタルビデオ屋でＡＶ借りてました。１８歳になったら、借りまくって、ずっと画面の向こう側に行きたかったんです。男優になりたいというよりは、ＡＶ現場を見てみたい、ＡＶ女優を生で見たいと、ずっと思っていました。でもどうやってなるのかわからなかったんですけど、雑誌で男優募集の広告を見て、あ、こういう募集をするんだってわかったけど、その時はスルーしたんです。やっぱり人前で裸になることに抵抗というか、その一線を越えたら戻れないという意識がありました。人の道を踏み外すじゃないけど、無かったことにできないですよね、映像として残るので」

――それでも、その一線を踏み越えたきっかけがあったわけですよね。

「僕は中学受験で成功したんです。ラサール、麻布、栄光、筑駒、全部受かって、筑駒に行きました。それで世の中を舐めてたみたいなところはあります。自分は東大行って、一流企業に就職するんだろうな、って。でも勉強が好きじゃなくなって、中学受験の時は７０あった偏差値が６０ぐらいになった。専修大学文学部心理学科に進んだんですが、大学があまり楽しくなかったんです。人生の目標を失ってて……よくある思春期の悩みですが、自分て何なんだろうとか考えて、やけくそになってた。踏み外しちゃっていいかなって思って、雑誌に出てたＡＶ男優募集の番号に電話かけたんです。男優になりたいんです！　って電話をかけてる時は、すごい高揚感なんですね。話をしているだけですけど、電話の向こうに別世界の人がいるし、自分が特別なことをしている気持ちになった。そうしたら、面接に来てくださいと言われました。Ｖ＆Ｒプランニングというメーカーです」

――Ｖ＆Ｒですか！　安達かおる社長の。カンパニー松尾さん、バクシーシ山下さんなどを排出して、平野勝之さん、井口昇さんなども撮っていた、異端のメーカーですね。

「その頃も、変わったもんばっかり撮ってるメーカーでしたね。松尾さんや山下さんはもう退職されてはいましたが、おしっことかうんことか障害者とかのＡＶを撮ってた。そこで面接で聞かれたのは、まず性癖なんです。『なんか変わった性癖ある?』って。過去の学歴とかそんなん一切聞かれない、向こうは今までに見たこともない性癖の人が欲しいんですよ。新しいキャラクターとして。でも僕は、クラスメイトの中では性欲が強い方というだけで、武器になるような性癖はないんです。ただ男優になりたかったんで、聞かれることには全部『できます!』と答えました。ＳＭも言葉攻めもしたことないけど、できます！　って。おしっこ飲むの好きですかって聞かれて、飲んだことないけど飲めます！　って答えました。とにかくイエスを言わなきゃ仕事がないと思ってたんで。でも、うんこ食えますかって聞かれて、俺、食えるって言ったら本当に食わされちゃうのかな、おしっこまでなら我慢すれば飲めるかもしれないけど……でも、食えませんていう勇気がなくて、『興味あります！　一度ためしてみたいです！』って答えました。頭の中では、うんこ食わされちゃう……どうしよう……ってうんこで頭がいっぱいでした」

――結局採用されたんですか。

「２日後に、仕事お願いしますって電話がありました。その時は、ただの汁男優で、ぶっかけ（女優の顔や身体に精子をかける）の現場で、自分でしごいて出すという話でした。控室で、この壁の向こうにＡＶ女優がいるんだ、誰なんだろう、どんな人なんだろう、裸で待ってるんだって考えたら、すごい興奮しちゃって、勃たないなんて心配は一切ありませんでした。いざその場になっても、勃起しまくって出していいって言われたら出しちゃいましたね」

――勃起しなかったらどうしようって心配はなかったんですか？

「僕に関して言えば、一切無かったんですよ。それからだんだんキャリアを積んで、ドラマものとかで、ただ勃たせればいいってもんじゃない内容で、人生はじめて勃たないということを経験して、勃たないってこんなにつらいんだ！　という想いを味わいました。それでも、ほとんどの場合ちょっとさわれば反応してたので、プライベートでも風俗行っても、どんな相手でも勃ちました」

――初体験はいつ頃ですか。

「高校一年生の時に、中学３年生の娘とです。僕は男子校だったから、女の子と知り合うのは文化祭なんですね。文化祭で知り合った子がいて、その子とはキスぐらいで終わったんですけど、その子の友達から突然家に電話がありました。森林くんてエロいんでしょ？　って言われて、なんだろう、頭のおかしな女かなって思ったんですけど、話をすると、大学生とつきあったことがある、と。大学生とつきあった＝セックス経験者じゃないですか。しかもおっぱいがＦカップだって言うんですよ。僕はその頃、Ｆカップなんて、ふーみん（細川ふみえ）ぐらいしか知らないから、電話で話しながら勃起しました。

 これは初体験のチャンスだ！　って思ったんですけど、相手が年下というのもあるから、童貞だって言えない。しかも向こうが、森林くんてエロいんでしょって聞いてきて、まあ、エロいことなら何でも聞いてって態度で返したからハードル上げてるし。

 その子とは、中学生と高校生だけど居酒屋行ってお酒飲んだんです。とにかく飲んだらやらせてもらえるって思ってたから。でも、どうやってホテルに誘っていいか、わからない。キスは経験してるけど、それ以上のことはわかんないんですよ。ＡＶ観てるけど、誘い方なんて知らないから。とにかく飲んで酔ってカラオケ行って、密室だから襲いかかるようにキスしました。そこから、おっぱいは揉めるんですが、まんこのさわり方がわかんない。なんとなくここにあるんだろうなということぐらいしか。形状とかミリ単位の位置とかわかんないけど、とにかくパンツの中に手を突っ込んだらぐちゃぐちゃだったんです。わからないまま、大きい動きをしたんですけど、その動きが功を奏したみたいで『じらさないで』って言われました。ピンポイントの攻めじゃなかったから、それがじらしたんだと思われたんです。

 ここじゃなんだからってホテルに行こうって、彼女のほうから言ってきて……このあたりですよ。渋谷の円山町のホテルに入りました。とりあえず脱がして、まんこ見たけど、穴がどこなのかよくわからない。とりあえず指を入れたのかな、ぬるぬるだから入りました。それで挿入しようとしたんだけど、彼女に『ゴムつけて』って言われて……ゴム？？　それが想定外だったんですね、ゴムつけるって行為が。でもこっちは慣れてるふりしてるから、『ああ、常識だよね』って態度とって枕元にあったコンドームをつけようとするんですけど、まず裏表がわからない。たぶん、最初に裏からつけてしまって、下に降りてこないからしどろもどろになってしまった。もう１個あったコンドームをつけようとしたけど、焦ってちんぽがふにゃふにゃになってゴムも上手くはめられない。なんとかつけたけどふにゃふにゃのままで、だけど待ってとか、もう一回勃たせてとか言えないから、とにかく入れないとって思って……でも、今思うと入ってないかもしれないんですよ。先っちょがひっかかってたぐらいかもしれないけど、とにかく夢中で腰振って、内心『全然気持ちよくねーな』とか思ってた。でも女の子は一応、あんあん言ってるから、形としてはセックスしているふうに見える。

 僕がセコい男なのか、本能的なのか『あっ！　イク！』って、いったフリしたんですよ。フリだから精子は出てないんだけど、彼女に見られないようにティッシュにくるんで捨てて、腕枕して『今までで一番、いいセックスだったよ』って言ったんです。女の子も何も言わないから、ごまかせたなーって思ってたら、彼女とはその日にまたねって別れたきり連絡とれなくなりました」

――そ、それは……気づかれてたんでしょうね（笑）

「でも一応、自分の中では童貞喪失したことにして、もうこれで風俗行っていいや、と。風俗で童貞捨てたくないから我慢してたんですね。黄金町のちょんの間に行って、そこではちゃんとできました。だから厳密に言ったら、ちょんの間なのかな……初体験は。それからお年玉もらったり、バイトのお金が入るとちょんの間行きましたね」

――初めて女性ときちんとつきあったのは？

「高校2年生から3年生まで、彼女がいて、その娘とは普通にセックスしてました。でも今考えると、ホントに入れて出すだけで、女の人を気持ちよくさせようとか感じさせようとか、全然そんなのはなかったですね」