花房観音 -Hanabusa Kannon-

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小説推理に「恋地獄」が!

今、発売中の「小説推理」の文芸評論家でアンソロジストの東雅夫さんの「幻想と怪奇」というページで、新刊「恋地獄」を紹介してもらっています。

 

しかも、芥川賞作家・藤野可織さんの「おはなしして子ちゃん」と一緒に!!

 

私の本というのは、語りにくいのか、ただ単に人気がないのか、批評や感想を見かけたり聞くことが、ほとんどありません。

「女の庭」なんて、結構な部数が出てるはずだし、「話題の」なんて冠をつけられることも多かったわりには、本について何か言われたり書かれたりすることがあまりなくて、誰が買ってくれてるんだろう??? というのは、未だに疑問です。

性的なことを書いているから、語りにくいのかなぁーとも思いますが、「話題の」とか言われると、「どこで話題になってるか教えてください」と言いたいぐらいに、耳にしない。

 

弱気なことを言いますが、書いて、本を出したからには読まれたいし、読まれている感触がないと、モチベーションも下がるし、「あー、人気ないんだなぁー」とかふと気分が落ちてしまうこともあります。まあ、ホントに人気ないんだろうけど……。びっくりするほどちやほやされないというのは冗談も交えて(半分本気)でよく言いますが……。

 

悪口とか見当違いの感想を言われるのは嫌だけど、読まれないよりはいい。

 

そんなふうに私は思っているから、知人の作家さんなどの本を読んだら、それがおもしろければ本人に言うたり、twitterでつぶやいてりはするようにしています。おもしろくなければ、スルーしてますけど! それはたとえ知人だろうが何だろうか、小説家は作品がすべてなので。

 

ちょいと愚痴ってすいません。

 

まあ、そんなわけで、「小説推理」で東さんが書かれた「恋地獄」紹介文は貴重ですし、読んでて、自分でも意識していなかったことにも気づかされました。

 

優れた批評っていうのは、いつも思うんですあ、作者の無意識だったり、作者の意図から派生したものを言語化してくれたものだなと思うのです。

だから、私は優秀な編集さんやライターさん(私の担当編集さんはみなさん、とても優秀な方たちばかりですが)が私の作品について語られたり、書かれたりするのをみて、驚くことが多いです。私の知らないことを、発見してくれるから。

だから、批評というのは、感想とは違うんです。誰でもできることではないし、素人が軽くやることでもない。

 

批評というものを考えるとき、友人のライター・中村淳彦さんの言葉をいつも思い出します。

「批評というのは表現に意味を与えること」という、言葉を。

 

 

あと、東さんが藤野さんの「おはなしして子ちゃん」の中で、特に「アイデンティティ」という短編についてふれられていましたが、私もこの短編集の中で一番度肝を抜かれたのはこのお話です。脳みそがどっかに飛んでいきそうでした。表題作も、「美人は気合い」も好きだけど、「アイデンティティ」は、もう、思い出すだけで、腹がよじれそう……。

そうだ、藤野可織さんの「パトロネ」も文庫になって発売しています。前に芥川賞の候補になった「いけにえ」も同時収録されていますが、この「いけにえ」も、すごい。

 

 

 

 

2013年11月02日
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