「ただセックスがしたいだけ」 桐野夏生
小さな、薄い本です。
けれど、とても素敵な本です。
牧野伊三夫さんの個展で「ただセックスがしたいだけ」と題された絵を見つけた桐野夏生さんが、その絵を購入して、同じタイトル短編小説を書かれました。
その小説を読んだ牧野さんが、挿絵をつけて、自費出版された本です。
小説家と画家の作品同士が惹かれあうようにしてつくられた小さな本。
この本の誕生の逸話を読んだときに、理想的な物語の生まれ方だと思いました。
作品は、作るものではなくて、生まれるものかもしれない。
私はこの本は、タイトルに惹かれて京都のガケ書房さんで購入しました。
「ただセックスがしたいだけ」の衝動にかられた男の物語です。
こうして何かに導かれるように生まれた物語、そして本を、自分もいつかつくりたい。
2014年1月10日
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