黒い十人の女
久々に市川崑監督の「黒い十人の女」を観ました。
劇場で一度、DVDで一度観てて、今回は三度目。
テレビ局のプロデューサー・風には妻の他に九人の愛人がいた。
妻と愛人たちが風を殺そうと計画するが……。
改めて見て、船越英二扮する「風」という「魅力的なダメ男」の色気にあてられる。
女たちの口から何度も「優しい」という言葉が出てくるこの男は、人にも自分にも優しく甘い。
「浮雲」の森雅之と「黒い十人の女」の船越英二だけは、絶対に近寄りたくない!
この作品は市川崑夫人の和田夏十の脚本が素晴らしい。
ダメ男と、わかっていても離れられない女たちの台詞がぐさぐさくる。
女優陣は圧巻。
正妻役の山本富士子、一番古い愛人の岸恵子、中村玉緒、岸田今日子、宮城まり子……迫力満点。
中村玉緒がとんでもなく可愛いです。
けれどやはりこの映画の主役は岸恵子。
美しくて、怖い。
途中、岸恵子が煙草に火をつけるシーンがありますが、ゾっとするほど色気があります。
2013年9月18日
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