「幻坂」 著・有栖川有栖
先日の「ふるさと怪談」の日の昼間は、私は参加はしていないのですが、有栖川有栖さんによる大阪七坂をめぐる「幻坂ツアー」が開催されました。
怪談文芸誌「幽」に連載されていた作品をまとめた「幻坂」は大阪天王寺の七坂を舞台にした短編集です。
中でも、「幽」に掲載された際に、小説の持つ力に圧倒された作品が「枯野」です。
「枯野」を読んで、小説というものが我々に無限の世界を見せてくれることを改めて認識しました。
ラストシーンを読んで目の前に広がった風景はまさにその世界に「いざなう」という言葉が相応しいものでした。
あんなに鮮やかに美しい光景を見せてくれる小説なんて、滅多に出会えない。
読み終えて、しばし呆然としました。
自分がどこにいるのか、わからなくなるほどに、「枯野」にとらわれていました。
「幻坂」本当に傑作です。
是非、機会あれば手にとってください。
2013年9月23日
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