猿の傷

テーマが「黒くわらえ」で、藤野さんの短編集「おはなしして子
それで猿の話になって、藤野さんが「私は猿が嫌い。恨みがある
その話をききながら、「あれ……猿……? 私も過去に、猿と何
あれは大学生のときです。大学の学生課で紹介された、何かしら
すると……私の目の前に、猿がいました。
猿と、ばっちり目が合ってしまったのです。
「あ、目が合った」と私が思った瞬間に、その猿は私にとびかかっ
逃げる間もなく、猿は私を攻撃してきて、伸ばされた手でジーン
私は悲鳴をあげたかったのですが、声が出ませんでした。
それでも何とか逃げて帰ってきました。
帰宅し、ジーンズを脱ぐと、猿の爪がジーンズを引き裂いて肌に
その一週間後に、新聞に「桃山御陵に猿出没、注意せよ」という
当時のバイト先の人たちには猿に襲われた件を話していましたの
「京都市内で猿に襲われる女子大生はあんまりいないぞ」と……。
その傷ですが、化膿するとか全く無かったのですが、そのまま傷
「これ、猿に襲われた傷やねん」と、人に見せると、結構受けるの
なのに、この夜、藤野さんの「猿が嫌い」話を聞いて、久々に記
終演後、藤野さんにその話をすると、
「その経験を元にして、猿にやられた話を書いてください」
と、言われましたが、「猿にやられてはいません!」ときちんと
さきほど帰宅して、確認すると、やはり傷はありました。
20年前、猿に襲われた傷です。
希望者がいらっしゃったら、機会あればお見せします。
女性と、面識ある知人男性限定で。
おそらく私が一生背負うであろう、猿に襲われた傷です。
これからはこの傷と共に生きていこうと決意しました。
「猿に襲われた作家」として……。
(猿の話・完)
*これだけ読んだら、何のトークショーなんだ、猿について語り合
2014年9月22日
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