1/21 「小説宝石」2月号に京都ミステリー後編掲載
2017年1月23日
仕事情報
2014年に刊行された「楽園」が文庫になりました。
かつて、そこは「楽園」と呼ばれていた――。
京都の旧五条楽園が舞台の、若さを失いつつある女たちの渇望と解放の物語です。
これを書いているとき、私自身にもいろんなことがあって、思い入れの強い小説です。
今、世間ではアダルトビデオや性風俗の存在が、「清き声」に圧されて苦しい状態になっています。
そんな時代だからこそ、多くの人に読んで欲しい。
「楽園」は、若くないからこそ、性に執着し、足掻く人間たちの物語です。
私も足掻いていますよ。だって、もう、若くないし、生命の果て「死」が見えている。死ぬときに後悔したくないから、足掻いている。
悟れないし諦めきれない。
自分でこれだけ醜悪に思うのだから、他人から見れば尚更のことでしょう。
だから、これからも「性」を書き続けますよ。うんざりされるほどね。
解説は永江朗さん、装画は単行本と同じく千海博美さんです。
明日14発売の月刊J-novel2月号(実業之日本社)より、新連載開始です。
タイトルは「半乳捕物帖」、江戸が舞台のキュートな「半乳親分」が主人公の捕物帖です。
タイトルは、岡本綺堂「半七捕物帳」をもじったもので……というか、これ冗談でイラストとか描いてたら、なぜか小説にすることになったのでした。
偶然ですが、今年は「半七捕物帳」連載開始100周年になるんですね。
岡本綺堂先生、ごめんなさい。
しかし周りを見渡しても、「好色入道」とか、「半乳捕物帖」とか、こんなふざけた小説書いてる女性作家っつて、他におらんな……。