1/19 「楽園」(中公文庫)発売
2014年に刊行された「楽園」が文庫になりました。
かつて、そこは「楽園」と呼ばれていた――。
京都の旧五条楽園が舞台の、若さを失いつつある女たちの渇望と解放の物語です。
これを書いているとき、私自身にもいろんなことがあって、思い入れの強い小説です。
今、世間ではアダルトビデオや性風俗の存在が、「清き声」に圧されて苦しい状態になっています。
そんな時代だからこそ、多くの人に読んで欲しい。
「楽園」は、若くないからこそ、性に執着し、足掻く人間たちの物語です。
私も足掻いていますよ。だって、もう、若くないし、生命の果て「死」が見えている。死ぬときに後悔したくないから、足掻いている。
悟れないし諦めきれない。
自分でこれだけ醜悪に思うのだから、他人から見れば尚更のことでしょう。
だから、これからも「性」を書き続けますよ。うんざりされるほどね。
解説は永江朗さん、装画は単行本と同じく千海博美さんです。
2017年1月20日
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